円形脱毛症診療ガイドライン(2017年12月日本皮膚科学会)の概要
推奨度A (強く勧められる)
なし
推奨度B (勧められる)
ステロイド局所注射(症状固定し脱毛面積25%未満の成人例)
ステロイド外用+
局所免疫療法*(症状固定し脱毛面積25%以上の場合第一選択)
かつら*
推奨度C1(考慮してもよいが、十分な根拠がない)
ステロイド内服+(発症後6ヶ月以内で急速に進行する25%以上の成人例)
点滴静注ステロイドパルス療法(急速に進行する25%以上の成人例、要入院)
第2世代抗ヒスタミン薬内服*(アトピー素因を持つ場合)
セファランチン内服+
グリチロン・グリシン・メチオニン配合錠内服+
塩化カルプロニウム外用+(フロジン、アロビックス)
ミノキシディル外用*
冷却療法*
スーパーライザー(近赤外線療法)
PUVA(紫外線療法)
治療せずに経過観察
推奨度C2(根拠がないので勧められない)
シクロスポリンA内服*
分子標的薬*
タクロリムス・ビタミンD3・レチノイド・プロスタグランジン製剤外用*
漢方薬*
抗うつ薬・抗不安薬*
Platelet rich plasma療法*
星状神経節ブロック*
催眠療法*
心理療法*
アロマテラピー*
鍼灸治療*
*は円形脱毛症に対する保険適応のないもの
+は推奨度判定に際し「本邦における膨大な診療実績も考慮し」との但し書きのあるもの
当院としては、推奨度Bに関しては概ね妥当と考えますが、推奨度C1に関しては、ステロイド内服のように効果は高いが、再発率や副作用を考慮して推奨度が低くなっているものと、セファランチンやグリチロン内服、スーパーライザーなどのように、効果は低いが副作用も少ないので推奨されているものが混在していますので、治療法の選択に関しては患者さんに合わせて決定し、経過をみて変更を考慮いたします。