主に円形脱毛症に関する相談、診療を行います。

まるく毛が抜けたからといって円形脱毛症とは限りません。
トリコチロマニー、男性型脱毛症、更年期脱毛症、牽引性脱毛症、感染症、神経性食思不振症、稀ではありますが膠原病の類症や遺伝性の病気なども考える必要があります。

まず正しい診断のために、当院ではビデオマクロスコープ(拡大鏡の一種)を用いて頭髪と抜け毛の状況を詳しくチェックします。これだけで円形脱毛症に似た病気のいくつかは除外することができます。必要な場合には血液検査もお勧めします。これは感染症や代謝障害(亜鉛の欠乏など)を除外したり、円形脱毛症にしばしば合併するいわゆるアトピー体質、さらに円形脱毛症とは遠縁の親戚にあたるような自己免疫疾患といわれる一群の疾患群の合併の有無を調べるためです。滅多にありませんが、皮膚の組織検査が必要になることもあります。

円形脱毛症の治療に関して、当院では最善を尽くすことを約束します。
100%治るとは申しませんが、何年も(何十年という人もあります)全く毛が生えなかったのに、やっと生えてきてふさふさになったという患者さんを何人も診てきています。大人には良く効くが、成長期の子供には使えない
という薬もありますので、患者さんの年齢に合わせてベストの治療を選択いたします。

例えば免疫修飾療法の一つと考えられているSADBE法などは、保険が効かない、うまく行わないと副作用としての湿疹、皮膚炎がコントロールできない、などの理由から、本当に限られた数の医療機関(主に脱毛症外来のある大学病院)でしか行われていませんが、パッチ絆創膏などを用いて皮膚炎の範囲をコントロールし、丁寧に最適濃度を設定して行うと非常に有効率の高い方法です。

よく診たうえで、放置して構わない、それが最善の治療法であると申し上げることもあります。実際円形脱毛症は自然寛解と再発を特徴とする疾患です。単発で、過去に既往がなく、頭皮に成長期脱毛の所見がなく、軟毛、白毛などの再生毛の所見がみられていれば、もうそれは病気の勢いが峠を過ぎたということで、効いているかどうかわからない薬を漫然と飲み続ける必要はありません。

世間ではよくストレスのせいであのひとは円形脱毛症になった、などと言いますが、一方で毛が抜けること自体が一番のストレスで、自分は特にストレスに弱い人間ではないとおっしゃる患者さんも多くいます。私は患者さんには、現在わかっている円形脱毛症の発症機序を説明したうえで、多くの場合精神的ストレスはおそらく二次的に関与するにすぎないであろうと説明することにしています。

男性型脱毛症(いわゆる若はげ)に関しては、保険診療の対象外となりますが、2005年12月14日よりフィナステリド(プロペシア)の内服治療を行っています。

脱毛症センター
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